今現在HSPについての情報も広まってきたことだと思います。今回はそんなHSPの特徴であるDOESと呼ばれる特性について深掘りしていこうと思います。
そもそもHSPって何?って人もいると思うので、そんな人へ向けて一言で説明すると精神的な刺激に敏感な人のことを言います。
精神的な刺激に敏感な人ってどんな人?
HSP提唱者のアーロン博士によると、人よりも敏感な人には4つの特徴があると言われていて、1つでも当てはまらないならHSPではないと言い切っています。
その4つの特徴のことをDOESといいます。
4つの特徴・DOES
D:(Depth of processing)「 深く思考する」
O:(Overstimulation)「刺激に対して敏感」
E:(Emotional reactivity and Empathy)「感受性が強く特に共感力が高い」
S:(Sensitivity to Subtleties)「些細な刺激を察知する」
アルファベットのそれぞれの頭文字をとって「DOES」(ダズ)と称されています。
これらのHSP特性は生まれつきであり、5人に1人の割合いで存在することがアーロン博士の研究によって判明しています。
D:「深い思考力」
HSPさんの思考の深さは桁外れに高いレベルだと思います。自分自身にとっては普通の事であっても周りの人から見たら「悩みすぎじゃない?」と言われるかもしれませんが、HSPさん自身からしたら
考えない方がムリ!!
思考のON,OFFの切り替えができるのならそもそもHSPではないからです。
深い思考力の特徴
- 深い質問をする
- いろんな可能性を考えてなかなか決断ができない
- 行動を起こすまでに時間がかかる
- 物事を深く捉えたり考えてしまう
- 人の本質を見抜く力が優れている
これらの特徴はHSPらしい特徴の1つです。それゆえ、大したことがないように見える事でも深く掘り下げてしまうことがよくあります。
O:刺激を受けやすく疲れやすい
HSPさんは人よりも敏感であることも特徴の1つです。自分自身では敏感だとは思っていなくても気づかないうちに小さな刺激もしっかり受け取っています。なので、友達と一緒に居る時は楽しくても、帰宅後にはぐったりしてしまうことがあるのではないでしょうか?疲れやすいのもHSPの特徴と言えるでしょう。多くの人と関わるよりも1人の時間を好む傾向があるともいわれています。
刺激を受けやすく疲れやすい人の特徴
- 痛みに敏感
- サプライズが苦手
- 人ごみの中にいると疲れる
- 嗅覚が鋭い
- 1人の時間がないとつらい
同じHSPであっても、何に対して敏感かは人によって異なります。
E:感受性豊かで共感力が高い
HSPさんは共感力が高く、相手の気持ちに合わせることが得意です。さらに、声のトーンや些細なしぐさなどから相手の感情を読み取る能力も持っています。高い共感力があることから、自分の事じゃないことに関しても、まるで自分に起こったことのように反応してしまうことがあります。
また、暴力シーンやホラー系などに対しても痛みや恐怖を想像してしまうため苦手であり、特に共感性羞恥(恥ずかしいシーンなどを見るとあたかも自分が恥ずかしい思いをした時と同じ感覚になってしまうこと)の特徴を持っている人が多いです。
感受性が強く共感力が高い人の特徴
- 人の心がなんとなくわかる
- 物事を深く感じ取る
- 本や映画の登場人物に感情移入しやすい
- 不公平なことが許せない
- 直感が鋭い
S:些細な刺激を察知する
HSPさんは他人が見逃している些細な事にも気が付けます。これこそがHSPの最大の特徴であると言っていいでしょう。ただし、この特性は特定の器官が優れているわけではなく、言葉の微妙な意味を読み取る領域になります。
些細な刺激を察知できる人の特徴
- 小さな音やかすかなにおいに気づく
- 人の髪型服装に敏感
- 相手の表情や声色などの細かな変化に気づける
いかがでしたか?
以上がDOESの基本情報になります。ここからはHSPの基本性質をDOESと絡めてみていきましょう。
HSP×DOES
人との距離感の線引きが難しい
HSPさんは共感力が高いことから相手との距離感がうまく取れなくなってしまうことがあります。HSPの方によくあることですが、相手に相談を持ち掛けていたのにいつの間にか相手の相談に乗ってしまっていた、ということがあります。これは、共感力の高さから無意識に相手に合わせてしまい相手中心になってしまった結果と言えます。
人の気持ちを敏感に感じ取り、深く共感する一方で、相手に対して過剰に同調したり、相手の気分や考えに引きずられるなど、自分自身を見失ってしまうことがあるので注意しましょう。
無意識に無理してしまう
些細な変化を敏感に察知することができるHSPですが、自分自身に対してもその能力を使うことがあります。自分の特技や良さに対して目が向いている時はよいですが、「自分に必要なもの」「自分に足りないもの」などネガティブな方に目が行ってしまったとき自分を追い込みやすくなってしまいます。
疲れやすい
HSP気質の人は普段から無意識に周りの刺激をアンテナのように拾い集めているため、周りの人のネガティブな感情に巻き込まれてしまいます。刺激に敏感であるがゆえの特徴となります。いつも周りに気を使っているため楽しいことであっても疲れてしまいます。
睡眠不足になりがち
HSPさんはストレスをため込むことが多いため、些細な刺激にも反応してしまうためリラックスができず睡眠に影響が出る方もいます。睡眠不足が原因でさらに刺激に敏感になるなどの悪循環になってしまうことがあるので注意しましょう。
環境の変化に左右されやすい
人によって程度は異なりますが、音やにおいなどの五感を刺激するものや痛みなどの直接的な刺激などに過敏に反応してしまうのです。
例えば、「他人の香水の香りで気持ち悪くなった」「授業中、友達の貧乏ゆすりが気になって集中できない」などちょっとした刺激にも反応してしまい、一度意識してしまうと簡単に無視できずストレスが過ぎ去るのを待つしかありません。
このように些細な刺激でも過敏に反応してしまうため日常生活に支障をきたしてしまうことがあります。特に環境が変わるタイミング(入学、卒業、就職、転職)の時期に注意が必要です。
終わりに
HSPに関する情報が増えてきた現在、DOESはHSPを理解するための優れたガイドラインと言えます。とはいえ、人間は人によって個性がある存在です。一般論でくくられるものでもないし、統計で答えが出るものでもありません。
同じHSPでも様々なタイプがいてそれぞれに特徴や過去があります。「ひとりひとり違う」ということを意識することが大切だと思います。
僕たちHSP全員が、いつもよく気がつき、誠実で思慮深く素晴らしい人間というわけではないのです。